出雲そばの特徴とその魅力とは?
日本三大そばの一つ、出雲そば。
その特徴的な色と味、そして健康に良いといわれる理由をご紹介。割子そばと釜揚げそばの楽しみ方など地元民も愛する出雲そばの魅力を探ります。
目次
出雲そばの歴史と伝統
出雲そばは、日本三大そばの一つとされ、その独特な風味と食べ方で知られる島根の代表的な郷土料理です。
この伝統的な食べ物は、長い歴史を通じて、地域の人々の生活に深く定着しました。
ここでは、出雲そばの起源から現代に至るまでの変遷と、出雲大社との関わりについて詳しく見ていきます。
出雲そばの起源
出雲そばの歴史は、江戸時代初期にまで遡ります。
その起源は、出雲地方に蕎麦の栽培と食文化が伝わった時期と密接に関連しています。
特に、1638年に松平直政が信州から出雲に移り、蕎麦の種と共に蕎麦打ちの技術を持ち込んだことが、出雲そば文化の始まりとされています。
この時期から、出雲地方では独自の文化が発展し、製粉から食べ方に至るまで、地域特有のスタイルが形成されています。
出雲大社とそばの関係
出雲大社は、日本神話において国譲りの神話で知られる神々の集いの場所として、また縁結びの神様としても有名です。
そばと出雲大社の関係は、この神聖な場所を訪れる多くの参拝者と密接に結びついています。
特に、毎年旧暦の10月に行われる神在祭(かみありさい)では、全国から集まる神々を迎えるため、全国から多くの参拝者が出雲大社を訪れます。
出雲大社周辺では屋台が並び、温かいそばが振る舞われ、参拝者にとっては欠かせない食事の一部となっていたそうです。
その出雲そばの美味しさは参拝者から広まったとされています。
出雲そばの独特な色と風味
通常そば粉は1番粉から3番粉まで分類され、食感や風味など独自の蕎麦に仕上げるため配合を調整されています。出雲そばは、そば粉の分類を行うことなくそばの実を丸ごと挽く「挽きぐるみ」と呼ばれる製粉方法で知られています。
この製粉方法により、そばの実丸々挽き込まれたそばは、本来の風味や栄養が保たれ、独特の深い味わいが生まれます。甘皮には、そば特有の風味や成分が豊富に含まれており、これが出雲そばの香り高い風味の源となっています。
栄養価の高さも魅力の一つ
出雲そばは、見た目と風味だけでなく、その栄養価の高さでも注目されています。
挽きぐるみにより、ビタミンB1やビタミンB2、ミネラル、そしてポリフェノールの一種であるルチンが豊富に含まれています。
これらの栄養素は、疲労回復や血液の流れをスムーズにする効果があり、健康維持に役立つとされています。
地元島根の人々に愛される理由
出雲そばが地元島根の人々に愛される理由は、地元の人々の生活に密接に結びついているからだと思われます。日常の食事はもちろん、祭りや特別な日のごちそうとしても重宝され、懐石料理の一品としても並ぶほどです。
地域のイベントや趣味、サークルで行われるそば打ちは、お子様からご年配の方までコミュニティを結びつける一つのきっかけにもなり楽しい笑顔が広がっています。
自然の宝庫、島根
島根県は、中国地方で日本海に面した豊かな自然環境を持つ地域です。山々が連なり、清らかな川が流れ、肥沃な土地が広がっています。
清冽な水と肥沃な土壌で育った島根県産そば粉は非常に希少とされ、国内生産量わずか0.0034%ほどです。(2021年農林水産省調べ)
海の幸も有名で、日本海で獲れる新鮮な魚介類は、食卓を豊かにし、多くの旅行者を惹きつけています。
出雲そばの食べ方
出雲そばの代表的な食べ方として「割子そば」と「釜揚げそば」があります。
その独特な食べ方は、日本国内外そば好きの方々から高い評価を受けています。
出雲地方を訪れた際には、本場の出雲そばの味、食べ方を体験していただければと思います。また、出雲そばは、地元のそば屋だけでなく、家庭でも楽しむことができるため、出雲そばを通販などお取り寄せで、ご家族みなさんでご堪能いただければ幸いです。
出雲そばのお取り寄せにおすすめ。
創業百余年 出雲そば 本田屋
割子そば
割子そばは出雲地方を代表するそばの食べ方で、「割子(わりご)そば」=「出雲そば」といっても良いほどです。
割子そばは、朱塗りの丸い漆器、いわゆる「割子」に盛られ、薬味とそばつゆを直接かけて食べる冷たいそばになります。
元々割子とは弁当箱を意味し、四角い器に盛られていましたが、何度も繰り返し使えるように漆器に変えられ、洗いやすく衛生面に配慮され今の丸い形になりました。通常、三段重ねで一人前とされています。
割子そばの食べ方
1,割子そばは通常、三段重ねの器で提供されます。一番上のそばに薬味(ネギ、海苔、もみじおろしなど)をのせます。
2,そばの上から適量のつゆをかけます。つゆはかけすぎないように注意してください。
3,一段目を食べ終えたら、器に残ったつゆを二段目に移します。薬味とつゆを追加し、二段目のそばを食べます。
4,二段目を食べ終えたら、同様に三段目につゆを移し、薬味とつゆを追加して食べます。
5,最後に、そば湯の入ったお猪口に残ったつゆを注いで、ダシの効いたそば湯を飲んで締めます。
一段ずつ薬味やつゆの量、種類を変えることで、味の変化が楽しめ飽きることなく、追加で何段でも食べられてしまいます。
釜揚げそば
釜揚げそばは、出雲大社をはじめとした神社周辺が発祥と言われており、全国の神々が集まる旧暦の10月に行われる「神在祭」の際に、神社の周りに屋台が並び、温かい釜揚げで新そばを振る舞っていたと言われています。
釜揚げそばは、ゆで上げたそばを水洗いすることなくそのままそば湯と一緒に丼に盛られるため、そばの風味を最大限に感じることができる滋味深い食べ方です。特に寒い冬場には、その温かさと香りが楽しめるため、多くの人に愛されています。出雲地方に訪れた際は、ぜひこの伝統的な食べ方を体験してみてください。
ご家庭でできる、釜揚げそばの食べ方
1,そばを茹でます。
2,茹でたそばを水で締めずに、そのまま茹で汁(そば湯)と共に丼に盛り付けます。
3,薬味(ネギ、かつお節、のりなど)を上にのせます。
4,最後にお好みの味になるまで濃い目のそばつゆをかけて、温かいまま食べます。
※薬味にはわさびではなく「もみじおろし」を使うのが出雲流!
スーパーなどで購入したそばのそば湯には、蕎麦の栄養と一緒にそばに添加された保存料などが含まれます。
食品表示など注意してお召し上がりください。
余計なものは加えないそばづくり
そば本来の味を楽しむ 本田屋の出雲そば
まとめ
独特の風味と栄養価が高く、割子そばや釜揚げそばとして地元民に愛されている出雲そば。
出雲の地にお越しの際には本場の出雲そばをお召し上がりいただきたいですし、ご自宅でも出雲に気持ちを馳せながらお好みの薬味で出雲そばをお楽しみください。